2015/11/10
実りの秋。鎌倉の野山を歩くと、 ドングリや、栗、柿、アケビ、カラスウリ、ヤマブドウ... 秋色いろいろな木の実・草の実が、目に飛び込んでくる。
足元にコロコロ転がっていたり、薮の奥で風に揺れていたり ふと見上げた枝々に たわわにぶら下がっていたりして とても楽しい。
どの実にも、「これまでの時間」がギュッと 詰まっていて、風格がある。
酷暑も雨風も乗り越えて 「がんばったね」と声を掛けたくなるような 重みがある。
手の中で握りしめたくなるような ありがたみがある。
見つけた瞬間、どこか報われたような ごほうびをもらったような、 わくわくした気持ちになる。
心が動いたら、今なら サッとスマホやカメラを取り出し、写真に撮ってSNSへ。 感動を人に伝えたり、自分で思い返したり。
でも、そんなメディアがなかった昔にも、
まんじゅうはあった。
「長嶋家」の秋まんじゅうを見ていると 実りの秋の感動が、まんじゅうを通して伝わってくる。 「まんじゅうもメディア」なのだという気がしてくる。
まあるい本来の形を生かしながら、 形態模写や「見立て」によって まんじゅうは自由演技の幅を広げる。
視覚的な記憶に、 「おいしい」という味覚体験が結びついて 感動は増幅されていく...
そして、 鎌倉の野山の多くは、戦後の乱開発の波から 「風致保存会」を中心に市民の手で守られ、 手入れされてきた里山であることを 忘れないようにしなくては...
鎌倉の里山が、これからもつづいていきますように。 秋まんじゅうに祈りを込めて、 いただきます〜!
-------------------------------------------------- 写真は 栗饅頭、あけびまんじゅう、抹茶饅頭、野うさぎ 定番の「野うさぎ」以外はみな、秋の季節限定 1921 年(大正10年) から続く長嶋家では、他にも 柿を使った薯蕷饅頭「旬柿」や、樹の実入り「樹の実饅頭」など がある。
「長嶋家」 鎌倉市小町1-5-8 0467-22-1369 am10:00-pm6:00 水休
photo&文 中尾京子
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